人間だれしも、先々のことをある程度考えながら生活しているものと思いますが、私はおそらく先のことを思い悩むことが多い方だと思います。
先のことを考えるあまり、現在の生活をおろそかにする節があると自覚しています。
一例を挙げると、将来のために貯蓄するのは良いのですが、節約が過ぎて家族から不満が出る等です。
今の自分の気持ちやを楽しみを大事にしたい気持ちと、将来困らないように備えなければという気持ちが喧嘩をします。
どのようなバランスで生活することが良いのでしょうか。

　awagodeさん、アッサラームアレイコム！ホセインと申します。私もawagodeさん同様、将来に対する不安に苛まれ毎日を過ごしてきました。しかし、イスラームという信仰を持ち、日々を過ごしていくうちに「幸せの力点」をどこに置くかで、その悩みが少し解消されたと思っています。そのあたりから回答させて頂きます。
　日本ムスリム教会のHPに次のような一節が載っています。
「イスラームで幸福は、富や子沢山ではなく、安寧の心を獲得することとされる。この世の幸福は一時的だが、天国では永久の幸福がある。それは至福（トゥーバ―）という格別の名称で呼ばれる。」
　私たちムスリムは現世の喜びや楽しみも大切にしていますが、それは一時（ひととき）のものと考えています。終末を迎えた後にやってくるであろう天国でこそ本当の幸せが待っていると思っています。そのための善行を積むのが現世であり、もし生活するのに十分なお金があれば、余分なお金は貧しい人や旅人などに喜捨します。それこそ天国への道であり、安寧の心へとまさにつながります。このように、幸せの力点を現世ではなく来世に置けば、現世のお金に固執することが無くなり、金離れもよくなります。また、極論を言えばイスラム世界では「持たざる者」は悪ではありませんし、施しを受けることも恥ずかしいことではありません。ですから、日本人より、将来への不安や人並みの生活を送りたいという欲求は少ないかもしれません。
　しかし、もちろんムスリムでも現世的な幸福を大切にする人もいます。例えば、イスラームを国教としている国では「喜捨」が「貯金額の３％」と決まっている国もあります。その貯金額は「いつでも引き出せる貯金額の３％」などと細かく決まっており、その喜捨を払いたくないために、日本の「貯蓄型生命保険」に入ることを真剣に考えるムスリムもいます。
　すみません、色々書き連ねてしまいましたが、awagodeさんにご助言したいのは、宗教上の教えなどによる正論はあるものの、結局は「自己決定」が大切だということです。自分がどんな時に幸せなのか、安寧の心を持つことができるのか。それに素直に生きればよいと思います。貯金をして将来の憂いが無くなれば貯金をすればよいでしょうし、お金を家族のために使いたいと思えば使えばよいと思います。自分にとっての幸せの力点を明確にすることが大切であると思います。しかし、周囲からケチと思われるほどにお金を出し惜しみすることは過度な金銭欲であり、イスラーム的にも世間的にもお勧めはできませんが…
　いずれにしても、幸せについて深く考えてらっしゃるawagodeさんのことを神様はきっと見守って下さっています。
　インシャアッラー。