昔から良く言えば倹約家、悪く言えば貧乏性です。
今も不自由しているわけではないのですが、子どもや将来への備えなど、先のことを考え今を楽しむことができていないような気がします。
節約するところはして使うところには使う、とバランスをとってはいますが、どうしても不安や罪悪感？がブレーキになってしまいます。
20代の頃からそうなので性格もあると思いますが、家族を持ってからさらに加速したように思います。
お金との上手な付き合い方を教えて下さい。

　nekoさん、アッサラームアレイコム！ホセインと申します。nekoさんのお金に対するお気持ちよく分かります。私も大変貧乏性でして、例えば一枚のシャツを買うために何度も同じ店に通い、そして結局買えない、なんてことも多々あります。ただ私はnekoさんのお金の使い方、考え方には基本的に賛成です。特に「子どもや将来への備えなど、先のことを考え」て貯蓄などにお金を回されているとのこと、これはイスラームの考え方にも合致しています。しかしその貯蓄のせいで「今を楽しむことができていない」といのがnekoさんのお悩みのようですので、そのあたりについて私はムスリムですので、イスラーム的観点から回答させて頂きたと思います。
　コーランにはこんな一節があります。
『金の使い方については、彼らは汝にたずねるだろう。答えてやれ、「お前たちが費やす良き金は、両親、近親、孤児、貧者および旅人のためである。お前たちの善行はすべて、神これを良く知りたもう」と。」（二章215節）
　イスラームにおいてはお金を持つことは悪いことだとはされていません。ただその使い道について、自分の欲を果たせるぐらいのお金があれば、それを他の人にも与えなければならないと言われてはいます。ですから、nekoさんのように、自分のためというか自分の家族の将来のためにお金を使おうという態度は大変すばらしい態度と言えます。
　また、ムスリムが金銭欲に対して持つべき姿についてある本には「つまり、ひとは金銭欲に限らず、多くの欲望をもっている。そのなかには、邪な欲望もある。しかし、それもまた万物の創造主である神が作り、許したものである。欲望に、正しい欲望と正しくない欲望との区別をつけることは、神の唯一絶対性を否定することにつながる。もしそれが悪い欲望であったとしても、欲望それ自体が否定されるべきものではない。
　かくして、ひとの金銭欲自体は、肯定される。否定されるべきというか、正確には、制限されるべきは、金銭欲の過剰な行使である。誠実で信用のおける商売を行なうならば、商人は礼賛する対象なのである。」と、あります。もし、nekoさんがお金を使うことに罪悪感や不安を感じるとすれば、あくまでも金銭に対する過剰な部分についてはそうお思いになったほうが良いと思いますが、お金を使うことは結局は社会のためにもなりますから、それについてはあまりお気になさらない方が良いと思います。
　ただイスラームにおいて「ケチ」は最大の悪の一つされています。つまり、困っている人や誰かのために使うお金を惜しむことはケチであり、五行の一つである喜捨（ザカート）に反する行為となります。誰かのためにお金を使っていると思えば、それは天国につながる喜捨の一種と言えます。nekoさんが将来への不安などから、「このお金を使うのはもったいないな…でもこれを買いたいな…」等と思う時は、「よし、これを買ったらお店の人が喜ぶな！」と思えば気が楽になるかと思います。なぜなら天国に近づく一歩のためにお金を使っているのですから。もちろん、バシバシお金を使うことを奨励しているのではなく、nekoさんがどうしても欲しいものや買いたいものがある時、このような心持でお金を使えば、きっと今を楽しむこともできるのではないでしょうか。
　と、いうことでnekoさん、自分の欲に少し素直になってみてはいかがでしょうか。もしかしたら逆にそれが天国への近道になることもあるかと思います。
　いずてにしても、家族のため、社会のためにお金を使おうとされているnekoさんのことを神様はきっと見守って下さっています。
　インシャアッラー。

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