イエス・キリストは神なのか、メシアなのか、救世主（メシア）であり神であるのか。良く分かりません。
映画等でイエスを神と言ったり、メシアと言ったりしますが、同じキリスト教でも宗派の違い、解釈の違いなのでしょうか？

　パンダ３さん、アッサラームアレイコム！ホセインと申します。私はムスリムですが、学生時代はキリスト教についても多少勉強しました。その経験から回答させて頂きます。
　キリスト教はユダヤ教の戒律主義をイエスが批判して生まれました。元々中東地域にあった「救世主信仰」により、イエスのことを、メシア＝救世主＝ギリシア語由来のキリスト、つまりイエス・キリストと呼ぶようになりました。
　キリスト教が信徒を多数獲得し、巨大化していく中で様々な教義の対立が生まれました。それを解消するために「公会議」が開かれ、その中で「正統」的なキリスト教は何なのかについて議論されました。そこで異端とされるといわばキリスト虚の新しい派閥が生まれていきますから、歴史的にキリスト教は公会議ごとに分派していきます。さらにはキリスト教がローマ帝国の国教となり、そしてローマ帝国が東西に分裂していく過程で、ローマカトリックと、コンスタンティノープル（現在のイスタンブル）を中心とした正教会に大きく分かれていきます。この2つは偶像を認めるかどうかという点が大きな差異となりました。
　中世になり、いわゆる免罪符問題に端を発した宗教改革によってローマカトリックから抵抗勢力という意味を持つプロテスタントが生まれました。このプロテスタント内にも、イギリス国教会や、カルヴァン派など実は様々な宗派があります。
　このようにキリスト教と一口で言っても、たくさんの宗派があり、その解釈や教義も違っています。仏教やイスラームも同様です。
　ちなみに今世間を騒がせている教団はローマカトリックからは破門されていますが、自分たちのことをキリスト教の一派だとしています。救いは単純なはずですのに、宗教は複雑になってしまっているのが現在の状況ではあります。
　いずれにしても、宗教について興味を持っていらっしゃるパンダ３さんのことを神様はきっと見守って下さっています。
　インシャアッラー。